大方の予想を裏切って、まさかのトランプさん勝利から早半月。
この結果が吉と出るか凶と出るか、世界が知るのはいつになるのでしょう。
その昔、アメリカの左翼主義活動家、ジェリー・ルービンの
”DO IT! 革命のシナリオ”という本を読んだとき
(ロック好き女子高生の頃ね)
「アメリカの大統領が世界情勢を左右するんだから、
米大統領選にはアメリカ人だけでなく、
世界中の人が投票できるシステムにするべきだ」
と書いてあってびっくりしたことがあります。
まだ世界情勢にうとかったこともあるし、
米大統領にそれほどのパワーがあるという実感もなかったので、
アメリカ人の意識の中でのアメリカや大統領の偉大さを
見せつけられた思いでした。
あれから長い長い時が流れて、今は実感しています。
アメリカの大統領がもたらす世界への影響を。
それにしてもトランプさん、あのスーツ姿はどうにもこうにも。
イタリア製の数十万もするスーツと知って逆に驚いたくらい。
質感とか色合いとかシルエットとかに、まずエッジが感じられない。
シャツもいいものなのだろうとはお察ししますが、
いつも白で変哲もなく、タイにいたっては(以下略)……。
オバマさんが大統領になったときのスマートさ、
スーツやシャツ、タイのセレクションのスタイリッシュさが懐かしい。
まあ、トランプさんは人生にファッションセンスは、
無関係という方なのでしょうし、
有名になれば女の子は自由になるというお考えらしいから、
そこでもオシャレなスーツなんて関係ないのかも知れません。
トランプタワーにある自邸のインテリアもパワフルです。
トプカピ宮殿かパルテノン宮殿か?!というような、
大理石の円柱のある金ピカのリビング、
天井にはルネッサンス風天井画あり。
でも、ペントハウスとはいえマンションの一室で築30年以上だから、
インテリアの様式に対して天井が低過ぎ。
でも細かいことは気にしないトランプさん。
ファッションにもインテリアにもあまりスタイルを求めない方らしい。
スタイルのよさが重要なのは女性だけのようです。
ちなみにファッションとインテリアは切り離して考えられないものだと思います。
何を着て暮らすかということは、
どんな部屋に住むかということとイコールのはず。
それはもちろん、お金をかけるかどうかの問題ではなく、
どれを選ぶかということです。
バッグは奮発してGucciだけど、ベッドは『無印』でも問題ない。
その人のスタイルやテイストがそこにあれば、衣と住は重なるはず。
私は電車内で前に座った人の服装や持ち物を見ると、
自動的にその人の住環境が重なって見えるタチ(勝手な妄想ともいいます)。
人は住環境までを身にまとって歩いていると思っています。
そんな私には見逃せない企画、
「モードとインテリアの20世紀展ーポワレからシャネル、サンローランまでー」
に先日行ってきました。
会期期限の終了が迫り、主にインテリア目的で、滑り込んだものの……。
展示物はファッション中心で、インテリアは1900〜1960までの
当時の室内をイラストで再現した数点のパネルのみ。
唯一、「1940-1959」の展示室にイームズのシェルチェアが置いてあって
「ご自由にお座りください」と書いてあったけど、
これ、いまどきは「うちにあるんですけど」率の高いチョイスですよね。
そこらのカフェでもありますから。残念です。
何年か前に芸大の美術館でバウハウス展を見た時は、
家具もあったし、確かキッチン含む室内の再現展示もあったような。
そういうのを期待して行ったのですが。
今回は島根県立石見美術館のコレクションの展示ということで、
多分そこはファッションが中心で、
インテリア関連のコレクションはないのかも知れませんが、
展示会名に「インテリア」を入れる以上、
ヌーボーもデコも60’も、少しは家具や雑貨を揃えて欲しかったような。
とはいえ「1960’s」の展示室でアンドレ・クレージュのドレスやブーツとともに、
クレージュがかつてデザインに携わったミノルタ製のカメラが展示されていて、
これが見られただけでももう満足です。
そのポップさ、かわいさときたら、今発売されても人気が出そうというアイテム。
ちなみにそのカメラ、デザインが70年代ぽいなあと思っていたら、
調べたところ、1983年の製品でした。あらあら。
会場の『パナソニック 汐留ミュージアム』があるのは、
日テレの社屋も、話題の電通本社ビルもある、高層ビルが立ち並ぶ再開発地区。
渋谷・新宿・六本木、あるいは銀座あたりともちがう、
過去の影がない、近未来感漂う街です。
ビルの谷間を新交通システム「ゆりかもめ」がすり抜けていく景色に、
鉄腕アトムの漫画の世界がいつの間にか現実になっているのだと改めて認識。
近くのビルのTOWER RECORDで女の子アイドルが握手会と、
インストアライブを開催していました。
初老のおじさまが嬉しそうにミニスカートのアイドルと
握手していたりして、世の中、まだ平和のようです。
オバマ政権が終幕に向かう中、汐留はいたって静かでした。
写真は、「1920-1939」時代の展示室。
マネキンの背後のパネルがインテリアの展示ということでした。
ミュージアムの近所のビルのパティオ。
雨模様とはいえ週末の午後。それにしては人もまばらな近未来の街です。