春先の一歩をスタイリング

やっと暖かくなったと思えば、また冬のような肌寒さが戻ってきたり
今年の春はなかなか手ごわいようです。
東京では全国に先駆けて開花宣言が出たとたんにまたも氷雨に見舞われ
桜もお気の毒に。
満開時期が遅れているおかげで今年は、入学式や入社式は花の下で、
という想い出深いシーンが展開するかも知れませんね。

新しい生活をスタートする人はもちろん、
これまでと全然変わらない、という人も、
なぜか新鮮な気分になるのが春のマジックです。
木々を見れば若葉が光り、
花々がいっせいに咲き誇るのですから、
それだけでも気持ちをアップさせてくれます。

暖かくなれば服装も変わり、厚手のものから薄いものへ、
それにともなって色目も薄くしたくなるもの。
さて、足元は?
冬場は黒い靴が多かったという場合は、ダークブラウンや
マロンブラウンなどの茶系、スエード素材なら思い切って、
ちょっと濃い目のベージュなどにしてみるのもいいですね。
就活や硬いビジネスシーンには不向きかも知れませんが、
やや自由度のある職場やオフタイムなら、
茶系の場合はローファーなどがおすすめ。
ローファーも、シンプルなものから、
タッセル付きのものや
馬具のような金具がついたビットローファーなどがあります。
ちなみにビットローファーの「ビット」とは
「ホースビット=馬のくつわ」のこと。
このローファーを最初に考案したのはかの有名なGUCCIで、
大人の男性が履いてもきちんとして見えるカジュアルシューズを、
世に出したかったのだとか。
それをデザインする過程において、
レディースのバッグに付けていた馬具の飾りを
メンズのローファーにつけてみたのだそうです。
「これいいじゃん!!」と当時のGUCCIのデザイナーや職人さんが
言ったかどうかは不明ですが、1953年の発売以来、
世界のモード市場では大評判となり、
今では様々なメーカーやブランドで作られている、
定番のローファーになっています。
これを履くと金具の効果で全体のイメージにちょっと光りが増します。
今年っぽいローファーを選ぶなら、
アッパーが浅く、脚の甲の部分の露出が多くなるものを。
靴の造りが華奢なイメージになり
イタリアンな雰囲気に仕上がります。
デニムやロンドンストライプのドレスシャツに淡い色の細身のパンツ、
足元にはイタリアンぽい繊細な造りで、なおかつ淡い色目の、
スエードのローファーを合わせる。
今年の春のスタイリングにはずみが付きそうです。

ところで就活中の方や、春から新入社員という方は、
履きなれない革靴で大変という場合もありそうですね。
最近はアッパーがビジネスシーン向けにデザインされた革靴でも、
ソールがそうとはわからない仕上げでラバーソールのものや、
履き口全体に目立たない仕様でストレッチ素材を施しているものなど、
足への負担を軽減している革靴が増えていますので要チェックです。

サクラが列島を静かに上がっていくこの季節。
新たな気分で軽い一歩を踏み出しましょう。