着せ替えAIの登場、心待ちの日々

東京が夏の暑さだったとき、北海道は零下で大雪だったことがありました。
ところが2〜3日前は東京が冬の寒さで、北海道は春のポカポカ陽気。
そんな春先ですが、みなさま、お元気でお過ごしでしょうか。

新卒の方々は、慣れない新生活の中、就活生を見かけては、
昨年の大変さを思い起こされていらっしゃるのでは?
先日、羽田空港のベンチで就活生の女子の隣りに座りました。
彼女は膝にお弁当箱を乗せ、一人で食事をしていました。
真隣だったので一瞬目に入ってきたお弁当箱は
紺色の2段のもので、おかずがたくさん詰まっていました。
それを膝に乗せ、背筋をすっと伸ばして静かに食事している彼女。
お行儀が良くてきれいな食べ方です。
お弁当はお母さんとか誰かほかの人が作ったのでしょうか?
自分で作ったものでしょうか?
栄養と愛情がたっぷり詰まっていそうなお弁当箱に、
彼女の就活の成功を祈りました。
それにしてもうまそーなお弁当だったなあ。笑

さて、最近、仕事が重なっているところに、ロングインタビューを必要とする
仕事の依頼がありました。
インタビュー自体は全然問題はないのですが、
録音した音声を聞き取って文字に起こす、
いわゆる「テープ起こし」くらい手間のかかる作業はありません。
私の場合は確実に聞き取りたいタイプで、
聞き取りにくい言葉は何度も何度もテープを聴き直して文字化しようとします。
まぁ今はテープではなく、ICレコーダーなどに録音して、
その音声データをパソコンに取り込み、itunesなどで再生して聞き取るスタイルですが。
もう、止めちゃ再生して聞き取って書き、同じところを巻き戻して、
また止めちゃ再生して書くという、地道な作業の連続で、
たとえば録音時間が1時間だったとしても2〜3倍の時間がかかります。
余裕があればそれでもいいのですが、たまたまほかの案件も詰まっていたので、
どうやったら効率的にできるか考えました。
そうだ!こういうときこそ音声入力をすればよいのでは?と思って、
パソコンのテキストアプリのマイクをオンにしてICレコーダーの音声を聞かせました。
が、うんでもすんでもない。
データじゃダメ? 肉声じゃないとダメということでしょうか?
なかなか贅沢なやつです。
そこで、ICレコーダーの音声を流し、その言葉を私がくり返して話し、
パソコンに聞き取らせてテキスト化するという、もう、デジタル化されてるのか
アナログのままなのか、わけのわからない仕事ぶりです。
それでも、この方法によって、かなりの時間短縮に成功。
AIにテキスト化してもらった資料をもとに原稿に仕上げて、
無事、締切に間に合いました。
音声の聞き取り能力も結構正確で驚きます。
でも中には、すごくお馬鹿な変換をするときも。
そんなときは「あんた馬鹿なんじゃないの!」と腹立ち紛れに言ってみると、
「あんた馬鹿なんじゃないの」と、返されます。
そこだけはしっかり正確にテキスト化するので、余計腹が立ちます。
ちなみに、「できるかなあ」などの場合、語尾の「あ」をちょっと伸ばし気味に言うと、
小文字で印字されたりします。どういう気の使い方なんでしょうか?

メールで情報をやり取りしている仕事相手の人から電話がありました。
登録していないので番号が表示されたのですが、
会話が終わって電話を切って見ると、
番号表示のところに相手の名前が出ているではありませんか。
「ひょっとしてこの人?iPhoneがメールの中からこの電話番号見つけたよ!」
的なことまで表示しています。もう「エライ?エライ?」と言わんばかり。
そく登録しましたが、気がつけば、AIに助けてもらっている生活です。

忙しい時はキッチンでお茶を入れているときも、iPhoneを手にして、
テキストやPDFを見て確認しながら文章を考えたりします。
そんな時に、文章のどこかを選択して、コピーの指示をしたとする。
続いてほかの場所にペーストをする前に、全然別の作業、たとえばガスの火を止める、
お湯をポットに注ぐ、などの作業をしたりするとき、あれ?と思ったりします。
コピーするべき内容は今、自分の指先にあるような錯覚に陥り、
ペーストをする前に手でほかのものを触ったり洗ったりしたら、
その内容はどこかに行ってしまうんじゃないか、消えちゃうんじゃないか、など、
一瞬心配になったりする究極のアナログ人。
で、いろいろなことをしたあと、10分後くらいにペーストすると、
私の指先から内容が流れ落ちたかのように、ちゃんとそこに移される。
FAXが流通しはじめた頃、送信した紙が電線に乗って流れていく光景を想像すると
書いていた作家がいました。
今の私も、AI生活にとまどいつつ、なかなか楽しんでいます。

行きつけの薬局にペッパーくんがいて、
「唐突だけれどお天気の話しをしませんか?」とか話しかけて来ます。
たいがい全員に無視されていて、ちょっとかわいそう。
将来的に、ヒト型AIは一家に一台的に、生活に入り込んでいるのかも知れません。
荷物を受け取っておきました、とか、今日も野菜不足です、とか、
気温が何度で肌寒いです、上着は持ちましたか?、とか言ったりするんでしょうね。
「なるべく早く帰ってきてくださいね、寂しいから」
とかうざいことをいう設定にできたり、
着せ替えできて、好みの服を着せられるタイプとか。
それで顔がイケメンや美女だったら、ますます未婚率が増えそうです。

*4/19追記

着せ替えのところで書くべきことをうっかりしていました。
AIロボットの顔やボディに、モニターのような機能があれば、
たとえば好みの顔を映し出せるし、好みの服を着せることができます。
好きなスタイルをさせることはもちろん、
オンラインのサイトでルックを見て「これいいけど、似合うかなあ」
と迷うアイテムの画像データをそのロボットにダウンロードさせて着せてみる。
その頃には画像のみでなく、オンラインショップで見られるルックのアイテムが
みんな動画で表示されるようになっているかもしれませんし、
それを、あらかじめオーナーのボディサイズや特徴をインプットされたロボットが
バーチャルに試着して動いたりすれば、
後ろとかサイドからも見られて、これはイケル!とか、こりゃ無理だ、とか、一目瞭然。
買って失敗ということも限りなくゼロに近づくのでは?
と、試着嫌いで、後悔率高めの方(私)には、早期の実現が待ち望まれる着せ替えAIです。

*写真は夜の銀座です。最近、光るビルの多いこと。
これもインバウンドを意識してのことでしょうか?