東北関東大震災で被害に合われた方々、ご家族の方々に心からお見舞い申し上げます。
一日も早い復旧と復興をお祈りしております。
はじめまして。
今日から、ここでコラムを書かせていただくことになりました。
ドレスシャツに関係することも、ほぼ関係ないことも、
アレコレさまざまな世界を「空飛ぶ魔法のシャツ」に乗って、
いっしょに見に行きませんか?というのがタイトルの意味合いです。
これから、どうぞよろしくお願いいたします。
ご存知のように、3/11を境に、東北や北関東の方々の生活は大きく、
私の住む東京での生活も、少し変わりました。
もちろん、東北で被災された方々の境遇とは比するべくもありませんが。
一番大きな変化は停電と節電です。
デパートやスーパーマーケット、コンビニの店内も照明が抑えられていて、
街全体がどんよりしています。
でも、人通りはそのままで、みんな居酒屋やレストランに入っていくし、
普段より暗いショッピングセンターのショップでは、
お客さんたちが普通に洋服や雑貨を選んでいます。
そうした欲求や欲望が、経済を回して行く要因のひとつだなあと、
いつになく思いました。
そういえば、震災前も不況と言われましたが、
グルメ取材で銀座や六本木の有名レストランに行くと、
相変わらず「予約が取れない店」のままという所が多いのでした。
中でも客単価3万とか5万とかするような麻布の人気懐石料理屋は、
取材中もひっきりなしに予約の電話が鳴り続け、
もう今夜はいっぱいですと申し訳なさそうにことわっているのです。
そういう店のオーナーシェフや板前さんは、
本当に切磋琢磨しておいしい料理を作っています。
その真剣で情熱的でプロフェッショナルな仕事ぶりから生まれる料理は、
やはりおいしさの底力が違うわけで、不況であろうと人々を惹きつけてしまう。
これからの時代は、こういう本物でないと生き残れないんだと、
まざまざ見せつけられた感じがしました。
土井縫工所のドレスシャツも、ここならではのクオリティーが、
ジワジワと認知されつつある今日この頃です。
この所、テレビのACのコマーシャルで毎日、
応援のメッセージを力強く伝えてくれるトータス松本さん。
このサイトのBlogでも書いてありますが、
トータスさんが着ていらっしゃるピンクのシャツは、土井縫工所のものです。
タイトフィットのダーツモデルで素材はブロード、カラーはセミワイドスプレッド、
カフスはノーブルタイプ、というもの。細身のスーツに最適なモデルですね。
トータスさんの暖かい関西弁と、タフな口調、凜としたパワフルな声で、
「絶対やれる!、信じてる!」と言われると、元気が出ます。
その、個性的な風貌とボルテージの高いホットな画面を、
黒いジャケットがいい具合に引き締めています。
そして画面中央ではピンクのシャツが優しい雰囲気を醸し出していて、
シンプルなのに効果的なスタイリングになっています。
トータスさんの背景に高速道路が写っているのも、躍動感があっていいな、
街の復旧や復興を示唆しているのかな、と思いました。
トータスさんのヒット曲のように、
♪ガッツだぜ パワフル魂!の精神は今後の復興に必要不可欠なものです。
でも、終戦後と違うのは闇雲に突っ走るのではなく、
人に優しい世界づくりということになるのでしょうか。
というわけで、パワフルなソウルをあえて柔らかく包んだピンクのドレスシャツが、
「今後の復興は強く・優しくが肝心」
というメッセージを伝えてくれたような気がしました。