桜の季節のAI育て

春です!
桜前線北上中で、日増しに景色が華やかになります。
新入社員の皆さまは慣れないスーツで、
まだ緊張の日々をお過ごしでしょうか?
もしレギュラーカラーのシャツを着ているのだとしたら、
セミワイドカラーのシャツに着替えてみては?
首回りが少しスッキリ見えて、
気持ちまでリラックスしてくるかも知れません。

さて、近頃、チマタを騒がせているAIの存在。
人工知能 “Artificial Intelligence”です。
「AI、世界第一位の棋士に勝利」とか、
「AI、創作の小説が星新一賞の一次審査合格」とか、
「AI、ヒットラーは正しいと発言して緊急停止」とか、
連日、そんなニュースが報じられています。
AIといえば思い浮かぶのが 2001年公開の米SF映画「A.I.」。
これは家族の一員としてレンタルされている少年型ロボットが主人公で、
人類に役立つよう開発された道具であるにもかかわらず、
というか、だからこそヒトを愛する心を持つように
プログラミングされてしまったロボットの、
切なくやるせない物語でハンカチ必携の映画でした。
で、こんな風に優しい心を持てれば人類にとって問題はないのですが、
一方、1968年公開のSF映画「2001年宇宙の旅」には
全知全能意識を持ってしまって人類を支配しようとするAIが登場します。
HALと名付けられたそのコンピューターは宇宙船に搭載されています。
形は機械ですが、ヒトと会話することができ、
ヒトは会話しながらコンピューターを操作するシステム。
宇宙の旅が進むうち、プログラムのミスか何かでHALは野心を抱きはじめ、
自分の敵とみなす乗り組員を抹殺したりする。
主人公がHALの故障や悪事に気づいて電源を切りシャットダウンするとき、
HALはその人物から以前教えてもらった歌を歌い出す。
つまり情にすがろうというわけで実に人間的です。
「ヒットラーは……」と発言して停止されてしまったAIのTayや、
あのペッパーくんも、
ヒトと交流することによって言葉を覚えて開発されて行くシステムとのこと。
だから、教えるヒトが悪意を持って悪い言葉や邪悪な思想をふきこめば、
どんどん悪に染まって行くのです。
これまた極めて人間ぽいです。
今、人類はヨチヨチ歩きのAIを育児している時期なのかも。
子育てならぬAI育て。
ここで間違うととんでもない結果になってしまうんですね。

チェスや碁の世界一の人に勝ったというのは、
文学でいうとノーベル文学賞をとったレベルです。
一方小説の賞の一次審査に通ったというのは、
ちょっと文章作りがうまい人で運が良ければ比較的簡単なので、
こちらはまだまだ発展途上。コラムニストはまだ安泰かも知れません。

とはいえ、今から30年後には2045年問題が控えています。
これは、優秀なAIがさらに優秀なAIを作り、
さらにそいつが優秀なAIを作り、ネズミ算式に優秀なAI作りを続けて行くと、
やがて人類にはコントロールできないレベルのAIが生まれてしまう。
するとどうなるか?
地球の支配者はもはや人類でなくAIになってしまうということです。
計算上、2045年にこのときを迎えるらしい。
あまりにも未来過ぎて、はあ、という感じですが、
その頃までには人類もなんとか対応策を発見できているのでは?
でも、その対応策もAIに考えてもらうしかないんだろうから、
あいつら(AI)抜け道作るよなあ、と疑心暗鬼な今日この頃。

とりあえず今のところは、スマホの検索エンジンに声をかけるくらいの
平和なAIとのつき合いかたです。