服的夏バテを救う麻のシャツの輝き

梅雨に入ってムシムシと暑い日が続いています。
天気予報では東京の湿度は80%とか。
それって、ほとんど水中じゃあーりませんか!!と思いますが。
水中ほど気持ちがよくないのはなぜ。

そんな中、都議選の選挙活動まっ只中であります。
先日、私が住む街の最寄り駅広場に
石破 茂 さんが選挙応援に登場しました。
石破さんほどの有名政治家が演説するとあっては、
聞かずにいられないのがミーハーのサガ。
もちろん、駅前はぎゅうぎゅう詰めで、
ビッグネームの有名人パワー恐るべし。
夕飯の買い物もそっちのけ風の主婦層も総動員という様相で、
だいぶ浮動票を稼ぐのでは?と思わせます。
立候補者本人や応援する議員などの演説まで聴いてしまい、
それが終わって、やっと石破さんの番です。
失礼ながら、ほかの人とは段違いのおもしろさです。
特別なことを話すということでもないのに、
話術、口調、すべてにおいて聞くものの興味をそらさず、
人心を掴みまくります。
それでいて、応援している候補者の長所や特長、功績も
通り一遍や上っ面でなく、血の通った感じで紹介する。
さすが、あの地位まで上り詰めた政治家というのは、
リアル感がちがうんだと実感しました。
嘘っぽさを感じさせないチカラと言いましょうか。
それが一流の政治家やスター、ビジネスマンが持つ、
迫力や説得力というものなのでしょう。
演説が終わって選挙カーから降り立つ石破さんに
聴衆が殺到したのはいうまでもありません。
おばさまたちは「ファンです!」と口走り
握手をしてもらっていました。
肉厚で柔らかい手だったそうです。

そして、この蒸し暑い日に、
立候補者本人も応援に駆けつけた議員の人たちも、
半袖シャツ姿やジャケット着用・ノータイという
クールビズで活動する中。
石破さんはスーツにタイ着用。
いつ見てもスーツにタイ着用。
それで涼しい顔をしています。
いいか悪いかは別として、それもまた石破さんの美学。
とはいうものの過去には沖縄で
さすがにかりゆし姿で活動していた模様。

かりゆしといえば、沖縄の夏のフォーマルウエアで、
クールビズのアイコン的アイテムです。
国会でも6月の最初の閣議で首相はじめ閣僚たちが着用するのが恒例で、
ここ数年はかりゆしを着てにこやかに談笑する、
安倍さんや麻生さんの映像が初夏の風物詩ぽくなっています。
かりゆしは昭和45年ころに沖縄の観光アピールの一環として
考案されたものだそうで、漢字で書くと「嘉例吉」というのだそうです。
「嘉例」は古い言葉で「縁起のいいこと、めでたいこと」を意味し、
「吉」は「よし=寄し=寄せる」で、
縁起のいいことを引き寄せるという意味。
幸運を願うシャツというわけですね。
そんなかりゆしは暑い環境でも涼しく着られて、
公用にも可能なものという方向でデザインされ、
原型はアロハシャツなのだそうです。
そしてアロハシャツの原型は日本の着物といわれます。
1930年頃、ハワイにいた日本人たちが着ていた着物の柄に
惚れ込んだ現地の人たちが、
着物地でシャツを仕立てたのがはじまりだとか。
その後もアロハといえば、鮮やかな色彩のシャツが多い中、
最近はレイン・スプナーなど、
ハワイのプレッピーと言われ、渋い色と柄の裏地使いが特長の
アロハシャツのブランドが日本でも注目を浴びています。

ともあれ、これだけ蒸し暑い環境では、
石破さんの美学を真似ようにも至難の技です。
天然素材のシャツにノーネクタイの風通しのよさや心地よさが、
やはり日本の夏の正しい対処法ではないでしょうか。
たとえば上質な麻のシャツの輝きが、
太陽の下でもスタイリッシュさをキープしてくれます。
汗だくで夏バテのココロとカラダ。
でもコーディネートだけは、上質なシャツが
涼しげにダンディに保ってくれるという次第です。