この夏イチバン暑いスタイルの祭典に参戦


ワールドカップでの西野ジャパンの大健闘に日本中が沸いています。
そんな暑いプレ夏。
今季もメンズファッションの祭典的展示会、PITTI UOMOが、
イタリア・フィレンツェで、6/12~15にわたり開催されました。

今回、PITTIが掲げたテーマは「PITTI OPTICAL POWER」
OPTICALとは、視覚の、視覚的な/光学の、光学上の/可視光線の、可視光で見える、
などを意味する英語の形容詞です。
ストライプを互い違いに組み合わせたり、波型にウェーブを持たせることで
ただのストライプではなくなり、
視覚的効果の高いヴィジュアルができあがります。
1960年代中期に、OPTIKAL ART=OP ARTとしてひとつのジャンルが誕生し、
ヴィクトル・ヴァザルリのような代表的なアーティストを生み出しています。
以来、ファッションでもオプティカル的な柄は、
個性的なモチーフとして繰り返し使われてきました。
最近はオプティカルなモチーフと泰西名画に登場するような、
クラシカルな花柄をあわせたりするのがトレンドになっています。

今回、PITTIの会場周辺はオプティカルなモチーフを打ち出した
デコレーションが施され、テーマの頭文字をとった「POP」というワードの効果も相まって、
心弾むようなポップで楽しげな雰囲気。
一筋縄ではいかない世界情勢の心配な要素を打ち破ろうとするかのような、
イタリアファンション業界の気概を感じさせます。
ファッションは、楽しみを与えてくれるアミューズメントであるとともに、
心を強くしてくれるソフトなアーマー(鎧)のようなもの。
PITTIのような世界的な展示会には、
チャーミングでスタイリッシュなアーマーをまとった戦士たちが世界各国から集結します。
もちろん、我らが土井縫工所チームも参戦しました。
さっそく、代表メンバーのPITTI視察レポをお送りいたします。

「今回は2019年春夏に向けての展示です。
SSということもあって、全体的にカジュアルな傾向が見られました。
昨年のサファリ、ミリタリー調に加え、オープンシャツやプルオーバーなど、
リラックス感のあるリゾートスタイルの提案が目立ちました。
素材に関しても、サファリやリゾートなどの流れから、各社ともリネンやコットンリネンを提案していました。
柄は昨年に続き、英国調を中心としたチェックのほか、今年は特にプリントの提案が目立っていました。定番の小紋やフラワー柄はじめ、大柄のトロピカルなリゾート柄やボタニカル調など、動きがあって自然味あふれるテキスタイルが打ち出されていました。
また、太幅のストライプをプリントで表現した柄も、各社で取り扱われていたのが印象にあります。
カラーに関しては、ドレスはやはり基本的にホワイトかブルー系ですね。
カジュアルはブルー系に加え、ベージュ系やブラウン系が、すっかり定番になった様子です。
加えて、前回、目立ったグリーン系、オレンジ系、レッド・ピンク系は、今回も継続して見られます。
特に、イエロー・マスタード系の存在が印象的でした。メインカラーとアクセントカラーともども、強く打ち出しているブランドが多くありました。
SSでもAWと変わらず、メインの色味はグレイッシュで落ち着いているものでした。
マスタードやカーキ、スモーキーピンク、エクリュなど、スモーキーな処理で上品なテイストになっています。
一方、プリントはSSらしい鮮やかなマルチカラーストライプなども見られました。
ジャケットやパンツもカジュアルでリラックス感を持たせつつも、崩しすぎない仕立てや色使い。
全体的な着こなしは、クラシックで上品にまとめるという流れです。
これは前回までと同様のラインで、2019年SSも継続すると見られます」

以上、土井縫工所・日本代表のPITTI視察報告です。
毎回、雑誌やネットのファッションページを賑わせるPITTIの洒落男たち。
土井縫工所メンバーも、イタリアンやフレンチ、ブリティッシュのダンディーたちと
互角に張り合う洒落男ぶりです。
ドレスとカジュアル、両面のスタイリングを実践しています。

※写真は、
上段2点/会場周辺の光景
中段3点/伊達男たち。ペアルックもこれならスタイリッシュ。
下段左/土井縫工所代表メンバー・トリオの勇姿
下段/PITTI運営スタッフの公式Tシャツ。メガネもオプティカルモチーフ。足元もスペルガのオプティカル柄のスニーカーでした。