現実の世界では夏真っ盛りですが、
エディトリアルではすでに秋冬の企画が
進行しています。
そして夏といえば開放的な遊びの季節、
秋といえばその反動で落ち着こう、
という傾向があるような気がします。
最近、「リラックス」や「ヒーリング」
「メンテナンス」をキーワードにした
取材や撮影が続きました。
猛暑と節電の夏が過ぎ、弱った体と気持ちをメンテナンスしましょう、
というコンセプトのものがひとつ。
これは、健康にまつわる情報誌の企画で、
気分を落ち着かせるような香りのハーブティを飲んでゆっくりしよう、
音楽聴いて癒されよう、お風呂でセルフマッサージしよう、
という、「いかにリラックスするか」の提案をもとに撮影しました。
音楽を聴いてリラックスするというのは実際、
音楽療法という名前まであって、その効果が実証されています。
でも、何を聴いてリラックスするかは人それぞれですよね。
クラッシックが何よりという人もいれば、いやいやジャズだね、
そこはレゲエでしょ、断然ワールドミュージックよ、いやロックだろう、
とそりゃもう十人十色なはず。
私の場合は、いわゆるヒーリング音楽は苦手です。
たとえばCDショップやヒーリンググッズの店に並んでいる癒し系CDには、
逆にいかにも「癒されろ」的魂胆を感じて全く癒されません。
というわけで、仕事に行くときはやや戦地に赴く気分でハードな音、
イギリスの80年代のオルタナティブ系なんかで気合いを入れてます。
逆に戦い終わって日が暮れて、家路に着く電車の中では、
お気に入りのJ-POPのシンガーの曲なんかを聴いていることが多いです。
イヤフォンからの音が頭蓋骨にシャワーみたいに降り注いで、
心身の疲れを癒してくれます。
最近、ちょっとお疲れ気味なので、南国の海辺で波音聴いてうたた寝したい、
海原を染める夕陽をまぶたに感じながら、なんて思うわけですが、
時間が圧倒的に(まちょっと予算も)不足しております。
じゃあ、ハワイとかバリ島とかゴアとかイビサとかの海の、
波の音だけ入ってるCDとかかけて、寝転がって目を閉じれば、
別にうちでもOKなんじゃない、目、つぶってりゃ本棚とか見えないし。
そりゃいいことに気がついた、居ながらにして家庭内イビサだわ!
という画期的な真実に気づき、今、波音CD物色中です。
昨日は、とあるエクササイズ法を考案した先生の本に掲載する、
ポーズ集の撮影がありました。
モデルさんにポーズをつける先生。
その合間に取材しながら「実は右腕が上がらなくて」と先生に相談したら、
効果的なエクササイズを教えてくれて、その場で直接指導していただきました。
で、やってみたら、その直後は治ったのですが、あれから12時間。
また戻ってます。
ま、継続してやらないとダメですね。
先生いわく、筋肉は緊張すると硬くなる、すると血行が悪くなる、痛みが出る、
だから、緊張した筋肉をリラックスさせてあげればいい、
すべてはそこから始まる、のだそうです。
筋肉もリラックスしたい時代なんだわ。
何かと大変な世の中ですから、溜まったストレスがココロに来たりカラダに出たり。
近頃は大人はもちろん子どもばかりか、
犬や猫すらストレスを抱えているんだそうです。
ポイントは、どうやってストレスをなだめすかしながら、
歩を進めて行くか、でしょうか。
私のとっておきの気分転換法は、近所の川に行って水の流れを眺めること。
せせらぎを聞き、止まることなく流れ続ける水を見ていると、
いつのまにやら私のカラダの中まで川が流れ出して、
うっとうしいものがいっしょに流れて行く様な気がするのです。
10分ほどそんな感じでいると、かなりすっきりします。
いわば、ココロの洗濯ってやつでしょうか?
そして、川辺の野草を撮影して帰る頃には、鼻歌のひとつも出ようもの。
川辺には今、そんな洗濯家(せんたくや、でなく、せんたくかと読んでいただければ)
らしき人々がたくさん集っています。
大きな犬と並んで水際に座っている人、男子2人で並んで座っている人、
カラスと並んで座ってイヤフォンで音を聴いている人、
いつまでもただ、走る川面を眺めている人。
水に流すとはよく言ったもので、川に集う人々の様々思いを浄化しながら、
今日も川は流れて行きます。