今年は11月の半ばを過ぎても、冬とは思えない気候が続いています。
昨日なんて長袖Tシャツに薄手のコットンジャケットだけで自転車に乗って、
夕暮れ時に疾走しましたが、寒さを感じませんでした。
それでもさすがに、すっかり葉を落とした街路樹なんかを見ていると、
冬はもうそこなんだなあと、ちょっと寂しい気持ちになります。
先日、冬に備えてムートンのブーツが欲しくなりました。
ただ、ムートンブーツは甲の部分が丸くて大きい、
ドナルドダックの足くらい大げさなデザインのモノだと、
かわいさ100倍なだけに、年齢制限がありそうです。
色々検索してみたら、ミネトンカというモカシンブランドの中に、
大人が履いてもおかしくない感じのものがありました。
ちなみにミネトンカは1946年創業のアメリカの老舗メーカーです。
原住民であるアメリカインディアンたちが昔から作っていた伝統的なモカシンを、
今も同じ製法で一足ずつハンドメイドで仕上げているのだそうです。
別名インディアンモカシンと呼ばれ、
足を保護するために一枚の革で包みこむように作られている、
足に優しいナチュラルな靴です。
そして私が選んだのは甲の部分のラインが控えめで、
普通のバックスキンの靴のような感じです。
さっそく購入して履いて見たら、まあ、本当に心地よいこと。
足に軽く吸い付いついてくるような感触は、
さすが天然素材ならではという感じがします。
靴を履いていると言うより、野生の生物に足を包まれているような快適な感覚です。
インディアンと靴の、ある種、官能的な関係に思いを馳せてしまいました。
一方日本人が生み出した履き物は下駄や草履、わらじ。
どれもが足の裏には堅い感触です。
わらじは下駄や草履に比べれば比較的ソフトですが、新品は堅い。
足の裏にソフトなものを選ぶ感覚と堅いモノを選ぶ感覚。
これは気候風土とも大きく関係しているのでしょう。
アメリカ原住民が住んでいた北米は雨が少なく乾燥していたのでは?
梅雨の時期があって夏は蒸し暑い多湿な日本では、
やはり下駄や草履の感触が足の裏に心地よかったのかもしれません。
一方、北米の草原や岩肌などを歩くのに、下駄や草履じゃ無理そうです。
モカシンの履き心地を味わいながら、あちらとこちらの違いを思ったのでした。
で、このブーツ、オンラインで購入したのですが、
今回は紆余曲折がありました。
香川県高松市にあるオンラインのインポート専門店に注文して、
翌々日届いたのでさっそく履いて見たら、ちょっと小さい。
というよりジャストサイズなのですが、ムートンのブーツは大きいほうがかわいいしね。
なので、ひとつ大きいのに交換して貰いましょ、と思ったら、
なんと2日間ですでに在庫ナシ。
で、2番目に気に行っていたデザインのも、3番目のもすべて売り切れだったので、
結局返品することに。
ラッキーだったのは、相手のレスポンスがいちいち早くて、
メールの文面もシンプルで明快で感じがよかったということです。
また何かあったら、ここで買いましょと思いました。
そして、キャンセルが成立した直後に運よく別のショップからメルマガがきて、
なんと偶然にも私の欲しかったブーツの再入荷のお知らせでした。
さっそく購入。
やと出会えたなあという感じです。
そんなわけで、オンラインショップヘビーユーザーの私です。
シメキリに追われて忙しい、欲しいモノを買いに行けない、
晩ご飯の食材さえ買いに行く時間がない、そんな日々が続くと、
ついポチっと押してしまいます。
CDやDVDは主にAmazonです。
翌日届くし、電車に乗って輸入CD屋に行くより早い、国内盤DVDはどこより安い。
そういえば、どこにも売っていないDVDを探しまくり、
結局九州の小倉にある小さなショップから買ったこともあります。
生活雑貨もよく買うもののひとつ。
もちろん時間があれば東急ハンズやデパートの家庭用品コーナーに行って、
自分で色々手に取って選ぶという、
それもまた楽しみだったりするわけですが、
シメキリに終われて時間がない時に限って、大根をおろすはめになり、
硬い大根に癇癪起こして怒鳴りつけたりするような時、
パソコンで「簡単 楽々 大根おろし」とか検索して注文すれば1〜2日後には
「はいはいもう大丈夫ですよ、お任せください」といわんばかりに、
スイスイ楽々なおろし器が家に届いて生活が一変!ですから。
そりゃあ便利なものです。
送料も交通費よりはおトクです。
お気に入りの紅茶はなかなか手に入らないフランス製で、
これもオンラインがもっぱらの購入先。
ロシア王室御用達の紅茶商が、革命後にフランスに亡命、
今はパリのたった1軒のショップでのみで販売しているという紅茶です。
昔、友人のパリ土産に貰って以来、ハマってしまったのですが、
とにかく東京での扱いがないに等しい。
ディーン & デルーカという輸入食品屋さんの、
私の知る限りでは渋谷店か品川店くらいでしか扱っていないのですが、
お気に入りのフレーバーはそこにすらしばしば在庫がないという。
ネットの紅茶専門店に時折出ますがとにかくお値段が高級。
そこで検索をかけたら国内や海外在住のアマチュアの、
バイヤーさんが集まっているサイトに在庫があってソク買い。
輸入ものがリーズナブルに購入できて送料込み。おトクです。
パソコン関連のアイテムもほぼネット注文です。
以前、フラットパネルのMacを使っていた頃、
メモリー専門店でメモリーを買ったものの、
増設がうまく行かなくて電話でコツを聞いたら、
「このまま待ってますから、やってみてください」と言ってくれるではないですか。
「大丈夫ですよ、慌てないでいいですから、ゆっくりやってみて」
と装着できるまでずっと指導してくれて感激したことがあります。
オンラインと言っても、やはり人と人とのつきあいに変わりはないと思います。
長いつきあいといえば、財布は同じデザインのイギリス製のものをずっと使っています。
レシートやカードでパンパンになっても大丈夫だし、デザインもいいので。
毎年素材違いが出るので、2〜3年に一度新しくします。
これはロンドンにある日本のオンラインショップでずっと購入しているのですが、
メルマガのロンドン便りを読むのも楽しみだったりします。
ひとつ気がとがめるのが、本をついついAmazonで買ってしまうこと。
うちの近所には比較的大きな本屋さんが2軒あるのですが、
それでも昔ほど在庫を抱えなくなっているので、
私が読みたいと思う本はなかなかありません。
そういえば20年前に出版された本を
どうしても読みたいと思ったのですが、すでに絶版でした。
Amazonで探したら古書店から出ていたので、さっそく注文。
神田の古本屋街を1日さまよって探すのも楽しいイベントですが、
ネットなら仕事の合間に5分もあれば結論が出ます。
こんな便利さを甘受しているうちに、
チマタから本屋さんがどんどん消えてしまいます。
本屋さんが大好きで、本がたくさん詰まった本棚に囲まれていると、
ワクワクするタチなので、本屋さんの実店舗がなくなるのは寂しい。
そう思いつつもAmazonで買ってしまう本好きの矛盾。
せめて雑誌は、近所で一番小さな本屋さんに行く様にしています。
ほぼ雑誌しかないような、小さな小さな本屋さんです。
それでも、私が高校生の頃はフランス文学の文庫本を普通に並べていたのに。
今では単行本や文庫本はベストセラーやノウハウ本のみです。
しかもそこのおばちゃん、おつりを間違えて多くくれちゃったりするのです。
「おつり、多かったですよ」と返すと、おばちゃんは、
あらあらごめんなさいねと謝ります。
多くくれたのにねえ。
買い物するたび、
応援してるから、店を続けてくださいね、と心の中で祈っています。