真夏のニット・真冬のTシャツ

今年の夏は本当に長くて、
9月に入っても残暑がしつこく残っていました。
そのせいなのか?
暑さにあきたといわんばかりのワカモノをよく見かけました。
なぜ、この亜熱帯のようなトーキョーで、
真夏にニット帽をかぶる?
なぜ、37度とか、もう風呂すら沸きそうな高温多湿なトーキョーで
真夏にムートンを履く?

もう、どう考えても頭は汗もだらけ、
足は煮えたぎっているのではありませんか?
で、ニット帽をかぶったお兄さんはタンクトップにハーフパンツ
足元はサンダル。
ムートンのお兄さんも半袖Tシャツにハーフパンツに普通のハット。
というわけで、全体は夏仕様なのに、
ワンアイテムのみ冬仕様。
これってコーディネート的盲点といえるかも知れません。
暑いのにご苦労様なことですが、
最近は本当にオールシーズン、好きな服を着ている人が多いですね。
「衣替え」を実践しているのは制服のある方々だけなのでは?

大昔、イギリスのロックミュージシャンたちの写真を見て、
いつも不思議だったことがあります。
そして大昔のロック少年少女なら、
誰もが一度は、この謎をめぐって意見交換したことがあるはず。
それは「なぜ、毛皮のコートの人の隣に、半袖Tシャツの人がいるのか?」
というミステリー。
たとえばそのロックバンドのメンバーが毛皮や革ジャン、
アフガンコートなどを着ているとすると、その中に必ずといっていいほど、
一人か二人は半袖Tシャツを着たメンバーが写っているのです。
(注=毛皮のコートは60年代のイギリスのロックミュージシャンの
お約束みたいなアイテムでした。新品でなくフリーマーケットで仕入れたもので、
それがまたカッコいいのでした)
いったい季節はなんなのか?冬か夏か。
その後、実際にロンドンに行ってみたら、
本当に真冬でも半袖Tシャツの人がひんぱんにいて、
驚かされたものです。
つまり、ほとんどの日本人より体温が高い人が、
あの国にはたくさんいるということなんだと思っていました。

で、最近気がついたのですが、うちにくる宅配便のお兄さんは
冬でも制服が半袖のTシャツだったりします。
日本人も案外体温高いのか?
とはいえ、日本ではいくら暑くても
冬には冬らしいカッコをするというルールのようなものがありました。
いくら寒くても夏にニット帽はかぶらなかっただろうし。

今や、夏にムートンのブーツを履くツワモノもいて。
服の季節感やルールが曖昧になっている昨今。
一方で健康や食育ブームで食べものの旬が見直されている昨今。
カラダはあっちこっちに右往左往ですが、
そうして居心地のいい所を探しているのかも知れません。
いつか行き着く先は、ベーシックな正統派かも知れないし。

ともあれ、炎天下のニット帽は熱中症予防にいいのか悪いのか。
答えがわからない状況です・・・。
体験者の方が居たらぜひ教えていただきたい。
どうぞよろしくお願いいたします。