先日、久しぶりに新宿伊勢丹に行って来ました。
リニューアル以来、注目のショッピングスポットなので、
館内や近辺にはオシャレさんが集まっています。
が、渋谷や原宿、表参道あたりを歩いているオシャレさんたちと、
何かちょっとちがう雰囲気なのです。
原宿や表参道あたりのオシャレさんは、
服の仕事に従事している感じの人たちが多く、
スタイリングが自然です。
が、新宿の、バーニーズ・ニューヨークや
伊勢丹あたりで見かけるオシャレさんたちは、
「ファッション命!」と腕に彫ってありそうな、
渾身のアイテムに渾身のスタイリングの人が目立ちます。
それはそれで楽しい眺め。
デパートやファッションビルを見る楽しみは、
服や靴、バッグ、アクセサリーや小物雑貨類など、
ファッションにまつわるすべてのものを見たり接したりすること。
わけもなくワクワクしてきます。
それは何か新しい物、ほかにはないものを作ってやろう、提示してやろうという、
作り手の思いや勢いがダイレクトに伝わってくるからかも知れません。
もちろん、電化製品とか生活用品をはじめ、
ICT関連の製品や医療用製品も、
そういう意識で作られているのは確かですが、
それらの目的は「使いやすさ」や「時間短縮」や「効き目」であって、
その結果、形も新しくなるのが普通です。
ところがファッションは「新しさ」の打ち出しかたが、
もろ形に見えていて、そこが一番大きなセールスポイントだったりします。
もちろん、着心地、持ちやすさ、耐久性なども重要なのですが、
まず、人が一番先に気にするのはデザイン。
それこそがファッションのおもしろさです。
だからこそ、そういうモノを作ろうとする人たちの熱意や切磋琢磨が、
一直線にこちらに伝わって来て、それが私たちを楽しませてくれる、
すなわち消費者の「物欲」や「購買欲」をそそるわけです。
そんなファッションでメンズのトレンドといえば、
以前も書きましたが「男の花柄」と、
ここ何年かでいえば「スカート」。
「スカート男子」という言葉も生まれているので、
もはやトレンドというより定番の仲間入りでしょうか?
コレクションなんかでは、必ずどこかのメゾンが、
スカートを提案しています。
これまではスカートを取り入れたブランドは、
ほとんどユニセックスなデザインを特徴とする所が多かったので、
コレクションでは中性的な少年ぽいモデルがスカートを履いて登場していました。
ところが、2013 Autumn/Winterのロンドンコレクションでは、
マッチョといえるようなタフガイが続々ミニワンピースを着て
ランウエイに登場したブランドもあって、
これなんかもはや、罰ゲームかと思うようなスタイル。
ジェンダー(性別)に対する重大な問題提起なんだろうかと思いました。
女子が普通にパンツスタイルでいるのだから、
男子がスカートを履き始めるのも時間の問題だったのかも知れません。
考えて見れば、私たちはキモノという、
究極にユニセックスな衣裳をルーツに持っています。
まあ、柄が女物、男物の違いがあったり、武士はハカマを履いたりしましたが
町人は男女ともキモノだけです。
かぶきものと言われるような遊び人は、
女物の派手な柄の着物を羽織って出歩いたといいます。
ある意味、日本は昔から欧米諸国よりずっと自由で、
ジェンダーフリーなファッションのお国柄だったのですから、
今、そっち系ファッションやサブカルが諸外国をリードしているのもわかりますね。
ショッピングモールやデパートでそんなモノたちを見ると、
あちこちでエネルギーがポンポン爆発している感じで、
いくつになってもワクワクしてしまうのです。
*写真は、同じ新宿でも西口。HAL東京の近未来的ビルです。