先日、久しぶりに舞台を見に行きました。
中村勘九郎さんや今井翼さんが出演する「さらば八月の大地」です。
内容はさておき、いつも思うのは役者さんたちの身の軽さです。
舞台の俳優さんたちに限らず、演者というのは芝居も当然ながら、
身体能力も長けていないとつとまらないものだと、いつも感心します。
だから、はじかれたように立ち上がって吹っ飛ぶシーンとか、
高い所から突き飛ばされて下に落ちるシーンなど、
まるで体重を感じさせない敏捷さで見せてくれる。
さぞかし筋肉や骨の1本1本が、
見事にコントロールされているのだろうと思います。
だからこそ、立っているだけで存在感があるんですね。
多分、黙って立ち尽くすシーンさえ全身の筋肉が演じているのでしょう。
イギリスの演出家で映画監督のピーター・ブルックは、
役者たちに「壁を走れ、天井を歩け!」
(というニュアンスのことを)言ったそうです。
それが比喩じゃないと知ったのは、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの
「真夏の夜の夢」を見た時。
ライサンダー(という若者)役の人が舞台の下手から走って来て、
ダーーーーーっと壁を駆け上がり、そのまま数メートル壁を走って降りたのです。
一瞬のできごとで、加速を付ければ不可能ではないかも知れませんが、
それを見た時、ヒトの能力ってすごいもんなんだと思いました。
演出家の宮元亜門さんを取材した時、
撮影も拝見していたのですが、
壁に寄り添って立っている時ですら、
全身の意識が野生の動物のように研ぎ澄まされている印象を受けました。
天敵とか毒矢とか銃弾とかが飛んで来たら、
すぐさま飛び退って逃れるため。
油断していない肉体の持ち主、宮元亜門さんは元ダンサーです。
先日、アンチエイジングで名高い白澤卓二先生にインタビューしました。
老化防止のアレコレをわかりやすく説いて、最近マスコミで話題の方です。
先生は50代後半ですが40代半ばくらいに見えます。
朝は、手作り野菜ジュースのみで、
朝食に関しては炭水化物を摂らないことが多いそうです。
(ちなみに野菜ジュースの量は500mlで、ペットボトル1本分。
野菜は食物繊維が多いので満腹感が得られるのだそうです)
先生はウォーキングやヨガ、ピラティスも実行しているので、
スリムで動きも軽い。それが若く見える要因でしょう。
先生いわく、現在日本では100歳を超えた人が5万人*を超えているそうで、
長寿遺伝子のメカニズムがもっと解明されれば、
将来的に120歳で50歳の肉体を持つことも可能になるそうな。
ちなみに私たちはみな長寿遺伝子を持っているそうで、
そのスイッチをオンにできるヒトとできないヒトがいるのだそうです。
現在の世界最長寿記録はフランスのジャンヌ・カルマンさんの122歳。
そこから人類は、とくに病気などがなければ、
122歳まで生きられると言うことが実証されているわけです。
最近、スーパー陸上おじいちゃんや水泳おばあちゃんが、
よくマスコミで取り上げられています。
ボケずに足腰も丈夫でちゃんと食べることができれば、健康長寿も夢ではない。
世界でも類を見ないほど少子高齢化社会をひた走るこの国。
元気な老人で溢れ返るこれからの社会。
ファッションや音楽、すべてに置いてシニアがコアターゲットとなる時代が来ます。
四半世紀前より、ロックミュージシャンもアイドルでさえも高齢化していて、
近頃の40〜50代の女性たちは30代向けファッションに身を包んでいます。
ルイ・ヴィトンはTVコマーシャルに66歳のデビッド・ボウイを使い、
30〜60代の女性(消費者)を誘惑しています。
今から約20〜30年後にはヴィトンを着こなした110歳が、
大挙して東京マラソンを走る世界になっているかも知れません。
白澤先生いわく、50代くらいまであまり運動をしたことがない人でも、
ゆるい運動からはじめて習慣化すれば、
その筋肉や動きは90代まで持続するそうです。
体ってある種すごい能力があるものですね。
ご多分に漏れず、気持ちだけは年寄りになれないイマドキの中高年なので、
肉体年齢を精神年齢までに引き下げたいと願う今日この頃です。
身軽になれるアンチエイジングが大切ですね。
*追記:国内の100歳以上は2013年9月現在で5万4397人。そのうち、女性はなんと4万7606人ですと! 男性はまさかの6791人。どうした? フレーフレー!し・ろ・ぐ・み!
今年度中に100歳になる予定の人は女性が2万3812人、男性が4357人。
ちなみに現在の国内最高齢は、女性が115歳(大阪市在住)で、男性が110歳(さいたま市在住)なのだそうです。
いやはや、恐るべし、女性軍。紅組圧勝です。