とりあえず平和な国の赤セーター

気づけば今年もあとひと月ですね。
毎年のように、時が経つのが加速して行っているような気がします。
本当に今年はあっという間に経ってしまったというのが正直なところ。
年が明ければまたひとつ年齢を重ねるわけですが、
体の老いは自覚できても
心の老いはなかなか自覚できなかったりします。
とくに、最近の日本人は外見も中身も、
昔の日本人の七掛けに相当するという説があります。
それで行けば、今の50歳は昔の35歳程度?
上が詰まっている現代。
なかなかじーさんばーさんになれないのが実情ですね。
そういえば、先日、高倉健さんの追悼で
テレビで「幸せの黄色いハンカチ」を放映していました。
用事をしながらキッチンの小さいテレビで見るともなく見ていたら、
無軌道でチャラい若者役の武田鉄矢が、
旅先の北海道でナンパしていました。
それが中年のおばさん二人に「車で送るから乗ってかない?」
と声をかけているのです。
しかもことわられている。
なんで若いおにーちゃんがおばさんを?熟女ずきな設定?
とよくよく画面を見てみたら、若い女の子二人なのでした。
でも、そのヘアスタイルもファッションも、
今なら50〜60代以上の女の人しか、してなさそうな雰囲気。
これだけ、今昔には差があるのかと今さらながら驚きました。
これだけ人が長生きして、
今現在、市街戦が起こっているわけではないという意味で、
とりあえず平和なこの国では、
生きるか死ぬかということも自分で選ぶことができるし、
老いるか若いままでいるかということも選択できる。
どっからどう見ても20代後半にしか見えない50歳の美魔女もいれば、
文章だけ読んだら20代の青年としか思えない瑞々しい感性を保った、
85歳の老人もいる。
とりあえず、自分で居心地のいいスタイルをすることが一番だから、
それが実年齢なのだと思えばいいのかと思います。
と、紺色のシャツに真っ赤なアランセーターを着て、
赤系のタータンのズボンを履いて、
コンビニでメロンアイスを買っていたおじさんを見て、
しみじみ思いました。
老人よ、アイスを抱け!