メッセージは服の中に

土井コラム20140727

梅雨が明けて、本格的な暑さがはじまりました。
先日、岐阜多治見市では39度を記録したとか。
多治見市といえばこれまでは美濃焼きなどの陶磁器が思い出されたものですが、
暑さ日本一でも有名になってしまいました。
夏は連日37度超えを記録するという埼玉県熊谷市にしろ、
「日本一暑い街!」続々出現中です。
日々、亜熱帯化している列島の夏、
なんとか無事に元気に乗り越えましょう。

さて、そんな季節ではオシャレもなかなか、ままなりません。
若かりし頃、パンク系のスタイルに凝っていた頃、
基本、素材が革だのビニールだの厚手の綿だのと冬仕様な上に、
スタッズ付きだの革ブレスレットだの、小物もやたら暑苦しいわけで、
夏場は死ぬ思いで着こなしていました。
その時しみじみ悟ったことは、「パンクはヨーロッパのもの」。
やはり衣食住は地域の環境に合わせたものがベストかと。

男性陣のひざ上パンツ率の高さも、今年は前年比3割アップという気がします。
オフィス街では短パンにコットンジャケットというスタイルもよく見かけます。

そんな暑さの中で、先日、インパクト絶大なメンズを見かけました。
まず、うちの最寄駅で出会った、推定年齢28歳の男性。
ナチュラルな感じのヘアスタイル、カーキ色のカーゴパンツ、
普通のリュックにニューバランスのスニーカーという、ごくカジュアルなスタイル。
が、ブルーグレーに白地の細いストライプが入ったシャツは、
なんと前立にフリル付き。
PRADAが前立に幅広いフリルを付けたシャツを出したり、
デザインコンシャスなブランドが大胆なフリルを配したシャツを出したりしていて、
モード系のスタイリングを好むメンズが着ているのはたまに見かけますが、
ごく普通のカジュアルスタイルの男性が、
カーゴパンツやスニーカー、リュックにフリルをコーディネートしている。
それがとても新鮮で、彼が服を楽しんでいる風情が印象的でした。

その日の午後、見かけた別の男性、指定年齢34歳。
サラリーマン風ヘアスタイルにサラリーマン風シャツを着た彼は、
大きめな茶色のボディバッグにエスパドリーユ風デザインの革靴。
一見、きわめて普通な彼のボトムは、なんと、サルエルパンツではありませんか。
(注・サルエルパンツとはバルーンのようにたっぷりしたシルエットで、
股下が足元くらいまで下がり、裾部分が足首で絞られているパンツのこと。
元は民族衣裳で、’77年の春夏パリコレクションに登場して注目されたらしいです)
夏のサラリーマンの下半身が濃いグリーン系とワイン系のマルチストライプのサルエル。
これまた斬新な眺めで、イスラム圏への出張から帰国したばかりの方であろうか、とか、
あるいは趣味が海外旅行とエスニックアイテム収集の方であろうか、とか、
はたまた奥さまがイスラム出身の方であろうか、とか、
色々妄想してしまいました。

その直後、電車に乗った私は、この日のクライマックスとも言える、
ものすごいシーンに遭遇したのです。
推定年齢70代前半のそのおじさまは、白いスーツにワインレッドのドレスシャツ、
白黒コンビの靴に、頭には白いボルサリーノ着用。
こんなボルサリーノ、アラン・ドロンと麻生さん以外に、
ホントにかぶってる人いるんだ、とビックリ。
そのいでたちでシルバーシートに腰かけていたおじさま、
上体をナナメにかしげて足を組んで座るその姿は、
まさに巨大なワイングラスでも片手に持たせたいポーズ。
あたりの空気をはらうように燦然と輝くその堂々とした態度のせいで、
比較的混んでいるのに、隣に座ろうという勇気のある凡人は誰一人いません。
それにしても、一体なんの仕事をしている方なのでしょう?
服装から見てサラリーマン(役員とかの)ではなさそう。
芸能関係か夜のお仕事か。
案外、大工さんとか自転車屋さんとか獣医さんとか、
そんな職業だったらもっとおもしろいのになあ、とか、
色々、これまた妄想してしまいました。

ファッションは、その人そのもの。
チマタの人々のフリルのシャツや白いボルサリーノから
メッセージを受け取って楽しむ夏の午後です。

デザイナーズ・アジサイ

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現在のヘッダー写真も、この記事の写真も、これ、すべてアジサイです。
同じ種とは思えない、さまざまな形があります。
日本原産ですが、今では世界各地で新しいアジサイが作られているのだとか。
こういう場合、花のデザイナーとかがいて、
ニューデザインをスケッチブックに描いていたりするんでしょうか?
昔、アルファロメオをはじめとする車のデザインで有名なジウジアーロが、
パスタのデザインまで手がけていると知ったときは驚きでした。
ジウジアーロが手がけたのが驚きなのではなく、
あのパスタにデザイナーがいるということが。
言ってみれば、蕎麦やうどんの形にデザイナーがいたというような。
確かにパスタは色々な形があって、うどんに似たスパゲッティは、
単に長細いだけ。
でもショートパスタと呼ばれるものには、
いわゆるマカロニを筆頭に、シェル型や星形、リボン状のもの、螺旋状のもの、
まるでオブジェのように色々あります。
とはいえそういうものをデザイナーがデザインしていたなんて!
シェフや街場の食堂の大将がデュラムセモリナ粉をコネコネしながら、
ああやったりこうやったりして作り上げるものではなかったのでしょうか?
ちなみにジウジアーロデザインのパスタは、
茹でやすく、かつソースがからみやすいんだそうです。
さすがデザナーズパスタ。
そして最近、よく見るのが「デザイナーズマンション」という不動産の広告です。
うちの近所に、有名な建築家の隈研吾さんが設計したマンションがあります。
隈さんにインタビューした時に
「入居してるのはデザイナーとか、クリエーターが多いよ。どう?」
とおすすめされましたが、当然高級なので丁重に辞退しました。
このマンションとか、さらに隣町にある安藤忠雄設計の建築群とか、
この手の建物は確かにデザイナーズマンションなのだろうと思うのですが……。
街に拡散されていく「デザイナーズマンション」は何を持ってしてそう呼ぶの?
「デザイナーズ賃貸」とか「デザイナーズ・リノベーション」とか。
写真を見れば、確かにオシャレっぽいけれど、
イマドキのマンションや新築1戸建なんかみんなこうじゃない?
といいたくなるデザイン。
企画設計とか技術とか知識とかノウハウが蓄積されてきて、
今ではたいがいの設計屋さんなら普通に北欧建築の巨匠が建てた家の、
エコノミー版やあらゆる意味での日本バージョンを作ることができそう。
なので、一億総デザイナーというわけなんですね。
これまで長い間、日本の家はデザイナーでなく大工さんが仕切ってきました。
大工さんもデザインするわけですが、
伝統の工法や様式に則った中でのデザインの応用だったわけです。
が、「デザイナーズ」マンションやハウスは従来の枠を打破したものなんですよ、
というのが不動産業界がひねり出した新しいセールスポイントらしい。
そういえば、今さら誰も服の宣伝で「デザイナーズファッション」とは言わないし、
やっぱり建築の世界のコンセプトなのだと思っていたら、
思い出しました、80年代の終わり頃に世を席巻した「デザイナーズブランド」ブーム。
これまた、なんなの?という名称であります。
すべてのブランドにデザイナーはいるでしょうが。
あれから30年。すでに死語と化しています。
そういえば「デザイナー・フーズ」というのもありました。
こちらは、1990年代、アメリカ国立癌研究所が作った言葉。
『フィトケミカル』という、野菜が持つ力を特定して、
加工食品に加える目的ではじめられた計画で、
がんの予防に効果が期待される野菜約40種類が公開されました。
ちなみにフィトケミカルとは、
動けない野菜や植物が紫外線の害や害虫から身を守るために、
茎や葉に備えている色素や苦味、エグミ、といったもの。
これを人体に摂り込むと、体の中のサビを防いでくれるんだそうです。
なので、これを加えた食品をデザインして生み出そうよという計画でしたが、
なぜか途中で消滅したそうです。
とはいえ、これなんかは「デザイナー」の正しい使い方という気がします。
今後この冠を載せてビジネスに応用できる業態としては、
デザイナーズ・駅の売店、デザイナーズ・トラベル、デザイナーズ・銭湯、
デザイナーズ・八百屋、魚屋、パン屋、引っ越し屋、デザイナーズ郵便局、
デザイナーズ銀行、デザイナーズ神社、デザイナーズ占い師なんかでしょうか?
そう謳っているところがあったら、ちょっとのぞいてみたいです。
でも、デザイナーズ病院だけは行きたくないですね。
世田谷某所にミッドセンチュリーのモダン系名作椅子を揃えた歯医者があって、
見るからに治療費が高そうで逆効果だと思うのですが、
カフェかと見まごうガラス張りの院内はいつも若者でいっぱい。
デザイナーズ患者と呼んであげるべきかも。

メッセージを運ぶ白いシャツ

今年のトレンドといえば、なんといっても白です。
ショップでは白いシャツやTシャツ、ボトムが、
「とにかく今はコレでしょ」といわんばかりに、
メインステージにディスプレイされています。
生成というより、さらした純白が、今年の特徴。
ピュアホワイトの白のシャツやTシャツに、
さらに白いボトムを合わせるのも今年風です。
白というのは強烈な個性のある色なので、
素材によっても雰囲気が変わります。
同じ綿でも糸や織り方によって白の表情が変わり、
綿やシルク、ナイロンなどの異素材では光沢や陰の出方も変わります。
様々な白を組み合わせたコーディネートも楽しいし、
白いシャツに白いボトムの場合は、
ベルトや靴、アクセサリーにも重心がかかります。
小さい面積の小物をアレコレ合わせて試して見るのもまた楽しいもの。
コーディネートを楽しむことこそ、オシャレの醍醐味といえますね。

先日、女友達がマッシロな厚手コットンのトートバッグを持っていました。
トートバッグやエコバッグで白系というと、
断然、生成や麻っぽいベージュが主流です。
さらしていない生成色は、さながらナチュラルテイストやエコ気分のシンボルのような存在。
だから、友達が持っている純白のトートバッグは、すごく新鮮で、
景色の中で輝いて見えました。
どこで買ったのか聞くと、友人のイビサ土産だとか。
イビサにあるファッションのショップが出しているトートバッグだそうで、
なんと布の裏側に、つまりバッグの内側にブランド名が大きくプリントされていました。
そこがまたオシャレ。
以来、白いコットンのトートバッグを求める日々です。
白いシャツに白いパンツ、そして白いバッグ。
白という色には、強いメッセージ感があります。
久しぶりに、ファッションが本気になっている、
そんな印象があって、ワクワクします。

余談ですが、今、家族が入院中で、会いに行っても、まあ、当然ですが、
あまり元気がありません。
先日、パジャマの上に着る薄いカーディガンが欲しいというので、
何枚か持って行きました。
その中の、ちょっときれいなパープル系の花柄のカーディガンを見つけて、速攻手を伸ばしています。
「これ、着てみる!」
ベッドの上でさっそく袖を通し、着ています。
そのあと、鏡に映してチェックさえしています。
高齢でしかも入院中で、テレビを見る気にもなれないとふさいでいた人が、
一瞬で目を輝かせて表情が華やいだことに驚きました。
着るもので、人はこんなに気分が上がるんだ。
そんなファッションの威力をまざまざと再認識した瞬間です。

そういえば、以前、高名な歌舞伎役者さんにインタビューしたときのこと。
「大きな役をやるときは、それに負けないようにバリッとした服を着ていく」
とおっしゃったのが印象的でした。
大きな役というのは、強い存在感があるもので、
しかもそんな役の歌舞伎の衣装の立派さや豪奢さ、その迫力は、
間近で見ると想像を絶するものに違いありません。
柔な気持ちでは、着る前に打ち負かされてしまいそう。
それに動じず自分のものにして着こなすことが役になりきることに通じます。
気持ちを鼓舞するため、衣装に立ち向かうために着る服、
それはそれでもはや戦闘服のようなものです。
勝負服って言葉もありましたっけ。
ときに心に華やぎをもたらし、ときに心を奮い立たせてくれるファッション。
食や住よりトップに来る意味は、こんなところにもあるのでは?
と思えてくる今日この頃。

スエットパーカと地球の関係

今年の春は雨が多かった関東地方。
咲き始めや満開時に花を散らせた風雨もありましたが、
多雨のおかげか新緑はいつにも増してみずみずしく、
チマタの景色を艶々と彩っています。
最近、ショップに行くと、どうもグリーン系の色の服に目が行きます。
やっぱり新緑の心地よさに心惹かれるからでしょうか?
ペパーミントグリーンや若草色、8月頃の強い日差しに鍛えられた葉の色を思わせる、
少し暗いグリーンも魅力的。
Tシャツやタンクトップなどは、グリーンはもちろん、
オレンジや濃いピンクなど、色で冒険できるアイテムです。
デニムシャツの下にグリーンやオレンジのタンクトップを合わせてみる、
あるいは鮮やかなグリーンやブルーの綿麻のスカーフを巻いてみる。
そんなコーディネートを楽しみたい季節です。

ところで、”Elle Decor”というインテリアとデザインの雑誌があります。
ファッション誌”Elle”から分かれ、1987年にパリで創刊、
現在、世界26カ国で出版されているそうです。
エル・デコには毎号、”Style”という特集ページがあり、
海外をメインにこだわりのインテリアを誇る家を紹介しています。
有名なデザイナーの家から、無名の若い一般人の家まで、
こりゃすごいわ、という家しか取材していないので、
毎号それぞれ個性的、目からウロコ的な、
インテリアポイントがあり興味は尽きません。
このページやほかの特集ページの原稿を、
私も時おりお手伝いしているのですが、
今回も原稿を書きながら、ふと、思ったことは。
イタリアの撮影セットデザイナーの男性の家の、
写真データを見ていたときのこと。
彼はイタリア北東部の田園地帯にある古い農家を買い取って、
リフォームして暮らしているのですが、
リビングルームの天井高は、日本家屋にすれば2階半くらいのサイズ。
植物好きな彼は、そのリビングルームの壁面を床から天井までガラス窓にし、
さながらレトロな温室のような部屋で多肉植物やら何やらと暮らしています。
ジャングルのように葉を伸ばす観葉植物の合間をぬって、
イタリアのモダン家具のソファやアームチェアが配置されています。
その中で寛ぐ彼は坊主頭に洗いざらしのデニムのシャツ、ジーンズ、
履き古した白いアディダス(多分)。
ガーデニング中はスエットのフード付きパーカを羽織っています。
まさにうちの近所を歩いている若者10人中8人がこれだろというスタイル。
こうしたファッションやインテリア、新築のビルや民家の外観は、
先進国ではどんどん共通化、グローバル化しています。
でも、新築は無理だから古くて安い家に住みたい!
という場合の住環境になると、欧米と日本はとたんに大きな差が出てしまう。
イタリアだって、みんながみんな、
農家を改造してオシャレな家にできる人ばかりではありません。
でも、古くて天井の高い家がたくさん残っていて、少し改造すれば快適に住める。
日本でいえば、80年代後期から90年代初期に建てられた家やマンションが、
今も数多く残っていて、比較的たやすく入手できる、
代表的な中古物件であるのと同じような現象です。
というわけで、豪邸に住むイタリアのクリエーターと、
ワンルームマンションに住む東京のフリーターが、
坊主頭でTシャツにジーンズ、スエットのパーカにスニーカーという、
全く同じアイテムに身を包んでいる今日この頃。
でも、イタリアのクリエーターのTシャツやパーカはグッチかも知れない、
だったらジャパニーズボーイのTシャツだって、
スーパー2階の衣料品売り場のワゴンセールでなく、
コムデギャルソン オムかも知れない。
それでもかたや200㎡のリノベーションハウス、かたや30㎡のワンルーム。
その違いが大事なんじゃないか?というのが今回の感想でした。
世界中の主たる国で、同じようなTシャツと、
同じようなジーンズを履いて暮らしていても、
異なる住環境に暮らし、異なる食べもので生きている。
それでこそ、各地から異なる文化が生まれる訳で。
じゃなけりゃ、おもしろくないし、
クール・ジャパンの魅力だって失われるし。
と、坊主頭のイタリアのデザイナーの、
まるで日本の男子中学生みたいなスエットパーカに、
地球の文化への思いを馳せた遅い春の午後でした。

進め!花咲かダンディー

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すっかり春です。
ソメイヨシノも満開ですが、今年はシダレザクラの開花も早いようで、
あちこちの風景に春の息吹が漂っています。
桜のみならずこの時季は、葉がすべて落ちて裸になった枝に、
いっせいに花が咲いて枯れ木を飾ります。
それを愛でているうちに、花は散り、
やがて艶々とした新緑が見る間に樹木を覆っていきます。
世界が再生するかのような、生き生きとした自然の活動によって、
人は元気をもらっているなあとつくづく思います。

こんな時季は、ふだん黒やダークグレー×白しか着ないような、
ガチなモノトーン愛好者でも、
ふと魔がさして春色のコートやジャケットが着たくなりませんか?
先日、女友達に久しぶりに会ったら、
見事に春模様の薄いコートを着ていて思わず見とれました。
淡いパープルを基調に、濃淡ピンクやブルー、ブルーグリーンなどが、
花ともアブストラクトともつかないフォルムで描かれたプリントのコートです。
すごく新鮮で、自分のカーキ色のコートが残念な感じ。
やっぱり、花咲く時季は、自分も花咲きたいと感じた夜でした。

女性とちがって男性の場合、服で花を咲かせる、
いわば「花咲かダンディー」になるとしたら、
そこはやはりシャツで攻めたいところ。
リバティの花柄や鳥の柄など、
普段はちょっと派手かなと思う色合いのシャツでも、
世間が色づくこの時季ならすんなりとけ込めるはずです。
ベージュやオフホワイトのコットンパンツなどと合わせて、
英国調コーディネートをしてみてください。
また、ピンクやブルーのシャツに薄手コットンのスカーフ、などという、
ちょっとパリ風、イタリア風のアレンジも春ならでは。
デニムシャツに写実的なタッチの花柄タイを合わせてみる、
あるいは派手めなチェックのジャケットを合わせてみるのもおすすめ。
上質でちょっと明るい色合いのシャツやスーツは、
周囲に活気を与え、いい印象を与えてくれます。
そうした感情は信頼感にもつながるので、
仕事運も上昇させてくれるはず。
自分から仕事場に春をもたらしてみましょう!

北の国の晴れ姿

つい先日、終了した冬季オリンピック。
期間中、日本は大雪、一方、五輪会場のあるソチは暖冬で雪が少なく、
テレビ画面の現地レポーターは春の装い、見ているこちらは大雪の中。
という近来マレに見る逆転ぶりでした。
オリンピックに関しては、夏より冬の方がなぜかココロ惹かれます。
夏の競技は走ったり泳いだり、時間を度外視すれば自分にもできます。
ま、時間が問題なんですけど。
でも、冬の競技はあんな高い所から身ひとつでジャンプとか、
スケート滑りながらジャンプとか、
絶対自分にはできない超人的なものばかり。
そこに惹かれるのがひとつ。
さらに、子供の頃「白い恋人たち」という、1968年冬季のフランス、
グルノーブルオリンピックの記録映画をテレビで見て、
挿入歌の「宴の日々は終わった、街にまたいつもの日常が戻って来る」
という対訳の歌詞にやけに感動した覚えがあります。
なんというか、その、地に足がついたクール感に子供ながら目からウロコというかね。
一方、かつての日本のオリンピックソングは三波春夫御大の
「♪ ハア〜、オリンピックの晴れ姿 〜中略〜 ちょいと、こりゃ晴れ姿ぁ〜」
でしたから。
いや、この浮かれ気分というか、限りなくアッパーなお祭り気分、
アゲアゲなノリは、当時の日本に必要なものだったのです、もちろん。
高度経済成長期、右肩あがりの真っ最中。
敗戦国にして庶民的にはまだ貧しかった小国が、
世界に鳴り響く経済大国に成長を遂げつつある時期ですから、
やっぱりテーマソングは「オリンピックの晴れ姿〜ぁ♪」が大正解。
そんな極東の国の1少女が「宴は終わった、またいつのも日々が戻ってくる」と歌う、
フランスのオリンピック感覚に驚かされたというか。
で、真っ白な銀世界で繰り広げられる冬季オリンピックは私にとって、
魅惑的なものになったのです。
中でも、楽しみはなんといってもハーフパイプ。
今回、銀・銅W受賞という快挙で一気に注目度が増しました。
この競技がはじめて冬季オリンピックに登場したのが1998年の長野オリンピック。
このときに観て以来、いっぺんでファンになってしまいました。
まず、選手が圧倒的にいまどきの若い子風。
フィギュアスケートのバレリーナ風衣裳や
スピードスケートのSF風ユニフォームなどに比べて、
ハーフパイプはもともとスノーボードなので、
超カジュアルウエアで登場します。
ダブダブのアウターに腰パンとかね。
それでも各国の制服は決められていて、
全く私服で出場する海外の他大会とは様子が違うらしく、
銀メダル受賞者の平野歩夢くんから見れば
「ウエア決められてるから、似合ってない人とかもいて、おかしかった」とのこと。
超カジュアルな制服にもかかわらず。
そんな出で立ちで登場する出場選手たちは、
見るからに張り詰めたオリンピック競技の中で唯一、
ゲレンデに遊びに来てる人ぽく見えるというか、
洋の東西を問わずストリート系なノリの青少年が多いのです。
競技を終えて点数を待っている間も、投げキッスはあたりまえ、
会場の音に合わせて体を左右に揺らしてラップしてみたり、
手でラッパー調のジェスチャーしてみたり。
そのゆるさが見ていて楽しいというか、
競技の技の凄さと演技後の本人の軽さ(に見せているにしても)
そのギャップのおもしろさ。
オリンピックという一種、品行方正かつストイックな趣き(を求められる)の
選手たちが多いイベントに置いて、ある種異質で心惹かれたのです。

そんなハーフパイプで、これまでのナンバーワンはアメリカのショーン・ホワイト。
この人にしかできない難しい技を次々に生み出して、
他の追随を許さないハーフパイプ界のスーパースターです。
狼的な雄々しいロングヘアがトレードマークだったけれど、
今季のオリンピック前に切ったというヘアスタイルは短髪でオシャレ。
最近バンドも組んでプロデビューしたとか。
金メダル連覇を期待されていた彼は、今回なぜか転倒やミスが多く、
3位入賞もなりませんでした。
王者を焦らせた要因と見られているのが、
今回、銀メダル受賞の日本代表、平野歩夢くん。
ショーン・ホワイトしか飛べないといわれていた6m超えのジャンプを飛び、
海外の権威ある大会でショーンに次ぐ2位。
海外でも注目を集めていた脅威の人材です。
その彼につぐ成績を収めたのが平岡卓くん、弱冠18歳!
彼も12歳でプロのスノーボーダーになったという実力の持ち主。
彼らの堂々とした競技っぷりは、エックスゲームやワールドカップなど、
海外の有力な大会で首位を争ってきた感が満々です。
それにしても、ソチで金メダルに輝いたユーリ・ポドラドチコフが、
敗れた王者ショーン・ホワイトと抱き合い
感涙にむせびお互いに讃え合っている新旧交代の儀式の後ろで、
銀・銅受賞の2人の少年たちがポカンとした顔で座っていたのが印象的。
まるで、スーパースターの終焉(かも知れない)という感動シーンに、
偶然映り込んでしまった中高生のにーちゃんたち、
みたいな絵がほほえましかったこと。
あとで松岡修三に「交ざるかと思ってたけど行かなかったね」
と突っ込まれた平野くんが
「あんま、イエーとか言うタイプじゃないんで」とつぶやいてたのがおかしかった。
イエーは言わないけど6mもジャンプするスノーボーダー。
まさに「恐るべき子供たち」です。
そして今回の感動は、羽生結弦くんの金メダル受賞や、
葛西選手のレジェンドぶりももちろんですが、
なんといっても浅田真央ちゃん!
ショートで転倒してまさかの16位スタートから、
フリーで全6種、計8度の3回転ジャンプをすべてクリアして、
最終的に10人ゴボウ抜きの6位入賞!
演技終了直後、ピンと張った真央ちゃんの背筋と足が震えだし、
表情が崩れて泣き顔になった瞬間、
全日本がいっせいにもらい泣きしたと思います。
「あんたが『感動部門金メダル』や!!」という。
転んでも転んでも立ち上がって走りだす。
そんな姿に自分を重ねる、だから日本人は浅田真央が好きなんだと思います。
ところで2020東京オリンピックのテーマソングは、誰が作って歌うのか?
それが今一番気になっているところ。

熟したダッフル

これからが一年で一番寒い時期。
とはいえ、葉の落ちた裸の木々の枝先には、
新芽がぷっくりと膨らんでいて、
開花の日をじっと待っている様子。
冬真っ直中というこの季節に、春の息吹を感じさせてくれます。

景色に色がないせいか、鮮やかな色目の服や小物が恋しくなります。
そうでなくても年を重ねるごとに、
きれいな原色にココロ引かれる自分がいます。
ヨーロッパでは高齢のマダムほどピンクやブルー、
若草色やパープルなんかをオシャレに着こなし、
燃えるように赤い口紅をさしていたり。
もっと若い頃は、年を取っても、
洗いざらしのポロシャツと綿パンでオシャレに見えるばあさんになりたい、
と願っていました。
でも、実際に年を重ねてきた今、
もうゴテゴテに着飾ったゴージャスなばーさんに憧れます。
首にも腕にも指にも耳にもド派手で巨大なアクセサリーを、
じゃらじゃらつけているような。
実際にはそんなヘビーなアクセ付けた日には、
首も肩も凝っちゃってたまらんわい、だと思うのですが。
てなわけで、年を取ると服に対する情熱が再燃するような気がします。
海外のファッション雑誌やら音楽雑誌やらを熱心にチェックして、
「何が一番新しいのか、何が一番おもしろいのか、何が一番刺激的なのか」
そんな情報をつかむことに命をかけていた、
あの頃の気分が今また蘇っています。

さらに考えてみれば、その「ファッション熱復活感」は、
時代の雰囲気でもあるように思います。
一時、デパートなんかもどちらかというと、
「今一番新しい服」より「行列のできるショコラ」優先というか、
デパ地下のグルメにたよっていたような、
衣食住の根幹がゆるぐ風潮があったと思うのですが、
このところ「それじゃやっぱりいかんだろ」とココロを入れかえた感があります。
デパートもショッピングセンターも、今は
「うちこそファッションの殿堂よ」という
みなぎるようなチカラこぶを見せつけているかのような。

そんな今日この頃。
少し前までオタク人気が災いして、ちょっと避けられていたダッフルコートが、
このところまた正当に評価されている気がします。
元々はベルギーのダッフル地方で作られたウール生地を使っていたため、
ダッフルコートと呼ばれるようになったもので、
オリジナルは19世紀のポーランドで流行ったフロックコートなのだそうです。
その原型を取り入れて、英国の軍隊用にデザインしたのが「ダッフルコート」で、
19世紀に生まれたクラシカルな男性用コートの中では、
唯一残っているフード付きなのだそうです。
現在、主流になっているダッフルコートは細身ですが、
原型はかなり身幅が大きく、中に相当厚手のジャケットなどを
着込んでいても大丈夫そう。
今は、木のトグルに麻のロープという原型を保ったものから、
または水牛のトグルに革紐、
あるいはプラスティックのトグルにビニールレザーのヒモ、
というプチプライス仕様までさまざま。
基本的なデザインは19世紀から変わっていないものの、
現代のダッフルコートはカラフルなものや柄物など、
素材はバリエーションに富んでいます。
先日見かけた男性の、きれいな青のダッフルコートは、
裏地が紫色系のペイズリー柄でした。
本来は裏地なしの1枚仕立てがダッフルの正統派。
でも、インナーに鮮やかな色のニットを合わせたり、
ちょっと個性派のパンツを合わせたり、
色や小物、ボトムのスタイリングで冒険したくなるのが今のダッフル気分です。
オタクでも学生風でもない、大人なダッフルをキメちゃって、
今年のバレンタインは行列のできるショコラをゲットしてください!

初空に乾杯

みなさま、あけましておめでとうございます。
初日の出、初空、初春。
日本の心の中には、はじめての朝日や空を尊ぶ気持ちがあります。
昨日までと何も変わらないのに、
元旦の朝日はなぜか神々しく、神秘的に見えます。
年とともに気持ちも改まったような心地がしたり。
そんな新年も三が日が過ぎました。
2014年の船出です。
空は青く輝き、花咲き誇る世の中でありますよう。
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。

粗暴な花

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クリスマスは過ぎたものの、街を彩るイルミネーションは、
まだ燦々と輝いています。
見慣れた景色が別世界に変わるこの時期、
期間限定ならではの儚さが、
輝きをよりいっそう魅力的に見せてくれます。
今年はイブから6日間ほど皇居と二重橋もライトアップされました。
和のたたずまいの建物がブルーグリーンに発光し、
幻想的な雰囲気を醸し出していました。
さて、今年もあと一日。
みなさまにとって2013年はどんな年でしたか?
あんなことやこんなことがあり、
変化したことや変わらないことや。
何があってもなくても、幸せな夜にも嘆きの夜にも
平等に朝は訪れ、四季は巡り、自然はいつも新鮮な瞬間を見せてくれます。
空が青くて夕焼けが美しければ、それだけで心は軽くなります。
いや、雨模様や曇りの日だって、その中に美しい光景が潜んでいます。
そんな自然のチカラや、誰かが生んだ素晴らしい事やモノのチカラに、
励まされたり勇気づけられたりして、
今年も過ごして来ました。

絵や文章、音楽や映画、ファッションや建築物、そしておいしい料理。
誰かが生んだ素晴らしい事やモノは、
自然の産物とは異なるパワー、強い意志の存在があるからこそ、
私たちは心を動かされるのだと思います。

先日、新宿で打ち合わせを終えて小田急百貨店の前を通ったら、
「草間弥生展」のポスターが目に入りました。
草間弥生は長年ニューヨークで活動していたアーティストで、
独特の原色使いの水玉模様が特徴の作品で知られています。
この水玉は持病の神経症からくる幻覚で、
実際にモノの上に細かい水玉模様が見えていた時期があるのだそうです。
花や果物やカボチャ(彼女のお気に入りのモチーフ)といったモチーフには
大小の水玉がびっしり描かれていて、
アウトラインは大胆でパワフルで、どこかユーモラスでかつグラフィカル。
そのユニークさと色使いの美しさから、
コム・デ・ギャルソンやルイ・ヴィトンといったハイブランドとも
コラボアイテムを展開しています。
今やヨーロッパでも回顧展が開催されるなど世界的に大注目のアーティストです。
見れば個展は12/30までとのことで、
さっそく上階の美術館スペースへ行ってみました。
出品作はリトグラフが中心で、展示即売会でもありました。
定価は数十万から数千万円までがほとんどですが、
中には億単位の作品もあり、この部屋には警備員さんも立っていました。
それにしても、草間弥生の描くモノはすべからく野性的。
花は粗暴で、デコレーションケーキは荒々しく、果物は動いているように見えます。
草間弥生はかつて
「庭でパンジーを見ていたら、花が急に恐ろしい形相になって襲いかかってきた」
と語っていたことがありますが、
彼女にとって花や生物は決して優しく静かなものではなく、
ある時は攻撃的でさえあるものなのでしょう。
彼女の描く絵は、「この人には世界が確実にこう見えているんだ」という
迫真に満ちた説得力があります。
「こう描こう」とか「どう描けばいいんだろう」とかの迷いはいっさいなく、
見えているモノを写し取っているというリアルさが、
幻想的な形の奥から滲み出ているのです。
だから、見る者の心臓を鷲づかみにするパワーがあるのだと思います。
しかも全体的に、はからずもスタイリッシュな仕上がりになっていて、
それが今、ファッションという世界でも、
その魅力が評価されているゆえんかと思います。
そして、草間弥生は今年84歳!
いまだに制作意欲は衰えていないといいます。
60歳を過ぎた頃、70歳を過ぎた頃の作品の持つ新鮮なパワーにも驚かされ、
心の底から勇気づけられました。
彼女の赤いおかっぱのかつらに習って、
金髪にしてみようかと正直思ったほど。
年を重ねると、自然に任せたシワを受け入れるのと同じくらい、
何か人工のマークで気合いを入れることも効果的かも知れません。
ところで私は数十年前にとあるパネルディスカッションで
(ケネス・アンガーというアンダーグラウンドな映画監督の作品を上映したあとで、
みなで語り合うという企画でした)
まだ一般には無名だった時代の草間彌生に会ったことがあります。
素朴さとアウトローさがないまぜになっていて、
淡々と言いたいことを言う、言いたいことしか言わない、
人の話は聞いていないか、聞いていても気にしないという感じで、
おもしろい人だなあと思った記憶があります。
あの人が今や世界的アーティスト。
世の中、何があるか、どうなるかわからないものです。
わかっているのは、自分の意志と気持ちを持ち続けることが大事なんだと。
なぜなら、それが多分、幸せというものの正体らしいと最近気づきました。
そんなわけで年の瀬に、
来年もますますモノづくりをがんばるぞと心した一日でした。
さてさて、今年もどうもありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
寒さ厳しき折、お体ご自愛しつつオシャレをお楽しみください。

身軽化アンチエイジング

先日、久しぶりに舞台を見に行きました。
中村勘九郎さんや今井翼さんが出演する「さらば八月の大地」です。
内容はさておき、いつも思うのは役者さんたちの身の軽さです。
舞台の俳優さんたちに限らず、演者というのは芝居も当然ながら、
身体能力も長けていないとつとまらないものだと、いつも感心します。
だから、はじかれたように立ち上がって吹っ飛ぶシーンとか、
高い所から突き飛ばされて下に落ちるシーンなど、
まるで体重を感じさせない敏捷さで見せてくれる。
さぞかし筋肉や骨の1本1本が、
見事にコントロールされているのだろうと思います。
だからこそ、立っているだけで存在感があるんですね。
多分、黙って立ち尽くすシーンさえ全身の筋肉が演じているのでしょう。
イギリスの演出家で映画監督のピーター・ブルックは、
役者たちに「壁を走れ、天井を歩け!」
(というニュアンスのことを)言ったそうです。
それが比喩じゃないと知ったのは、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの
「真夏の夜の夢」を見た時。
ライサンダー(という若者)役の人が舞台の下手から走って来て、
ダーーーーーっと壁を駆け上がり、そのまま数メートル壁を走って降りたのです。
一瞬のできごとで、加速を付ければ不可能ではないかも知れませんが、
それを見た時、ヒトの能力ってすごいもんなんだと思いました。
演出家の宮元亜門さんを取材した時、
撮影も拝見していたのですが、
壁に寄り添って立っている時ですら、
全身の意識が野生の動物のように研ぎ澄まされている印象を受けました。
天敵とか毒矢とか銃弾とかが飛んで来たら、
すぐさま飛び退って逃れるため。
油断していない肉体の持ち主、宮元亜門さんは元ダンサーです。

先日、アンチエイジングで名高い白澤卓二先生にインタビューしました。
老化防止のアレコレをわかりやすく説いて、最近マスコミで話題の方です。
先生は50代後半ですが40代半ばくらいに見えます。
朝は、手作り野菜ジュースのみで、
朝食に関しては炭水化物を摂らないことが多いそうです。
(ちなみに野菜ジュースの量は500mlで、ペットボトル1本分。
野菜は食物繊維が多いので満腹感が得られるのだそうです)
先生はウォーキングやヨガ、ピラティスも実行しているので、
スリムで動きも軽い。それが若く見える要因でしょう。
先生いわく、現在日本では100歳を超えた人が5万人*を超えているそうで、
長寿遺伝子のメカニズムがもっと解明されれば、
将来的に120歳で50歳の肉体を持つことも可能になるそうな。
ちなみに私たちはみな長寿遺伝子を持っているそうで、
そのスイッチをオンにできるヒトとできないヒトがいるのだそうです。
現在の世界最長寿記録はフランスのジャンヌ・カルマンさんの122歳。
そこから人類は、とくに病気などがなければ、
122歳まで生きられると言うことが実証されているわけです。
最近、スーパー陸上おじいちゃんや水泳おばあちゃんが、
よくマスコミで取り上げられています。
ボケずに足腰も丈夫でちゃんと食べることができれば、健康長寿も夢ではない。
世界でも類を見ないほど少子高齢化社会をひた走るこの国。
元気な老人で溢れ返るこれからの社会。
ファッションや音楽、すべてに置いてシニアがコアターゲットとなる時代が来ます。
四半世紀前より、ロックミュージシャンもアイドルでさえも高齢化していて、
近頃の40〜50代の女性たちは30代向けファッションに身を包んでいます。
ルイ・ヴィトンはTVコマーシャルに66歳のデビッド・ボウイを使い、
30〜60代の女性(消費者)を誘惑しています。
今から約20〜30年後にはヴィトンを着こなした110歳が、
大挙して東京マラソンを走る世界になっているかも知れません。
白澤先生いわく、50代くらいまであまり運動をしたことがない人でも、
ゆるい運動からはじめて習慣化すれば、
その筋肉や動きは90代まで持続するそうです。
体ってある種すごい能力があるものですね。
ご多分に漏れず、気持ちだけは年寄りになれないイマドキの中高年なので、
肉体年齢を精神年齢までに引き下げたいと願う今日この頃です。
身軽になれるアンチエイジングが大切ですね。

*追記:国内の100歳以上は2013年9月現在で5万4397人。そのうち、女性はなんと4万7606人ですと! 男性はまさかの6791人。どうした? フレーフレー!し・ろ・ぐ・み!
今年度中に100歳になる予定の人は女性が2万3812人、男性が4357人。
ちなみに現在の国内最高齢は、女性が115歳(大阪市在住)で、男性が110歳(さいたま市在住)なのだそうです。
いやはや、恐るべし、女性軍。紅組圧勝です。